2025年9月、長野県松本市の信州大学にて開催された「CMD2025(Computational Mechanics and Design Conference 2025)」において、IBEジャパン株式会社は、前回の「日本計算工学第30回講演会(JSCES30)」でのSimdroidデビューに続き、第2弾となる市場発信活動を実施しました。
今回のCMD2025では、Simdroidシリーズの主要3製品――Simdroid-MPM(物質点法による極端変形解析ソリューション)、Simdroid-EC(電子機器熱設計の熱流体解析)、Simdroid-FEMAG(結晶育成のマルチフィジックス解析)――の展示に加え、各技術を裏付ける3件の学術論文発表を行いました。
まず、Simdroid-MPMに関連する論文「MPM法による地球近傍小惑星の運動学的衝突挙動の解析有効性に関する研究」では、NASAのDART計画に関連し、小惑星の軌道偏向を目的とした運動学的衝突解析をMPMにより実施。弾塑性挙動・粒状流動・破砕過程を再現し、FEMでは再現が難しい大変形や多相流挙動を正確に表現しました。結果は超高速衝突実験と整合し、惑星防衛分野へのMPMの有効性を実証しました。

次に、Simdroid-ECに関する論文「Simdroid-ECから見た電子機器の熱流体解析ソフトに必要な新機能」では、電子機器冷却の高度化に向け、GPUによる高速化(最大20倍)やAIベースの縮約モデル(最大1000倍高速)を実装。数千万〜数十億セル規模のCFD解析を可能とし、半導体・通信・新エネルギー分野での熱設計に革新をもたらすシステムを紹介しました。

さらに、Simdroid-FEMAGに関する論文「逆算法に基づくPVT法AlN結晶成長における3D温度場のシミュレーション」では、電磁界解析と熱伝導解析を統合し、PVT法による窒化アルミニウム結晶成長プロセスを三次元で再現。逆解析による最適電力制御アルゴリズムを導入し、成長温度場の高精度化を達成しました。

IBEグループは、世界トップレベルの博士人材を中心とした約500名の開発陣営を擁し、AI・GPU技術を積極的にCAEへ統合しています。Simdroidはその成果を象徴するプラットフォームとして、構造・流体・電磁場の複合解析を実現。今回のCMD2025では、技術的な信頼性と革新性を国内外に示しました。
成熟した日本のCAE市場において、IBEジャパンは既存ツールと競合するのではなく、CAEによる新たな設計領域の創出と市場拡大に貢献してまいります。